アンダース・エリクソン著「超一流になるのは才能か努力か」

6月の記事で書いた教授のオススメ本。ようやっと感想を書こうと思い立ち、本棚から取り出してきました。たまひよです。

この間自習室で後ろの班の子も読んでいるのを見かけて、やっぱりあの教授のカリスマ性は凄かったと思っていました。

もし医局に入るなら、教授がカッコいいところがいいなぁ。

さてこの本ですが、絶対音感や記憶術の訓練を繰り返し行った実験や一流の音楽奏者・医師・チェスマスターに対して行った観察研究を通して、「超一流」を生み出す要素は何なのかを少しずつ明らかにしている筆者が編み出した、最高の練習法について記載されたものになっています。

「超一流になるのは才能か努力か」というタイトルで教授先生のバイブルになっている時点で、というかこんな本が出ている時点で、「答えは才能です」はあり得ないというのはわかるかと思いますが(笑)

才能じゃなくて努力であることを示す様々な証拠(もちろん直接的に証明することは無理なので色々間接的な手法を用いています)を提示しているだけでなく、そのためのアプローチも紹介してくれているのがとてもよかったと思いました。

適切な時期に適切なアプローチを行うこと

例えば絶対音感では、2歳から6歳までの子供24人を集めて特別なプログラムを行ったところ、全員がトレーニングを終了した時点でピアノで演奏される個別の音符を正確に識別することができるようになったという実験が紹介されていました。

こうなるともう才能という説は考えにくいですね。ただ、6歳になるまでの幼少期に音楽に触れさせるということは重要なようです。モーツァルトの場合は、4歳の頃から父親にバイオリンや鍵盤楽器を教え込まれたことが絶対音感を習得できた理由だろうというのが筆者の考えでした。

コンフォートゾーンから飛び出す限界的練習について

できることだけを日々やり続けていても意味はなく、何を改善するのか、どんな負荷をかけるのか。常に自分のできるギリギリを少し超える負荷をかけ続けられる人が一流になっていくのだという内容が一番中心に置かれていました。

読んで思ったのは、医学部の部活動はこの限界的練習が自分でできる人が強くなっていくのではないかということです。そしてその中で心身ともに磨き上げられた、主将を経験していたり優勝を経験していたりする人たちが将来も重宝されていく。

監督やコーチからのパワハラ厳しい指導を受けられるわけではない状態で、自己分析をして色々試行錯誤して、身体を追い込んで強くなっているのですから、今後もきっと医学の分野で同じように大きく成長するだろうと見込まれて可愛がられる。そんな感じではないでしょうか。

最近はかなり成長してきましたが、僕のウェイトが一時期全然伸びなかったのはこの、コンフォートゾーンを超える負荷を正しくかけられていなかったからじゃないかと反省しています。

心的イメージの形成について

チェスマスターと普通のチェス選手では、対局中の駒の配置を覚えられる量が全然違ったけれども、無作為に並べられた駒の配置を覚える能力には全く差がなかったことなどが紹介されていました。

記憶力ではなく、経験の中でここまでどう到達したかや今後どう展開するかのイメージが頭の中にどれだけ形成されているかが、強さの秘訣のようです。だからトップ選手は棋譜並べに多くの時間を使うのですね。

他にも音楽では楽譜から弾きたい音楽のイメージを持ったり、ミスに気づいたり(ミスに気づけなければいつも同じところで間違えるので、どれだけ練習してもほとんど意味がなくなってしまう)。

医者の診療では多くの鑑別を挙げ、それらを膨らませたり絞り込んだり。

こういうところで心的イメージの形成が必要なようです。棋譜並べと同じように、色々な症例を自分なら次にどうするか考えながら診たり、上級医の先生からフィードバックを受けたりすることが一流への道なのかもしれません。

そう考えると、今やっている臨床推論の勉強会ってすごくいいのかも・・・。

医者の継続的職業教育について

筆者は医者の継続的職業教育についての研究も行っていたということですが、結果として最も効果的な介入はロールプレイ、ディスカッション、問題解決、実地訓練などの相互作用的な要素を含むもので、最も効果が低かったのは講義中心の介入ということが分かったようでした。

これだけ向上心のある人が多いのに、効果的な職業教育が行えていないことを残念に思うとともに、なんとかしなければいけないという筆者の思いを文章から感じました(本当に向上心のある人が多いのかは・・・苦笑)。

例えば外科であれば、ビデオを一時停止してその時に何を想定してどんな心と体の準備をしていたかを聞いて心的イメージを一流の人と擦り合わせる練習をしたりということも、非常に効果的なようです。

最後に

特に「限界的練習」は部活の中でその必要性については自分でもある程度は感じていたので、目からウロコの新知識がたくさんあったということではありませんでしたが、「心的イメージ」については軽視されがちというか、人に言葉で伝えるのは難しいと思っていたので、雰囲気が掴めてよかったです。

もし将来子どもができた時にはなるべく多くの可能性を示せればと思っていたので、具体例が多かったのはとてもよかったです。将来また読んで、絶対音感と運動の基礎をなんとか身につけさせてあげたいな、なんて思いましたね(笑)

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『アンダース・エリクソン著「超一流になるのは才能か努力か」』へのコメント

  1. 名前:Wonder 投稿日:2018/08/22(水) 10:24:18 ID:e24a67935 返信

    こんにちは

    自分は読書が苦手なのですが
    いろいろ読めるのが
    すごいと思います!

    ポチッ☆

    • 名前:たまごのひよこ 投稿日:2018/08/22(水) 19:40:44 ID:b36773dfb 返信

      読書と言っても、字を追っているだけから深く読めるまで色々な段階があるので・・・修行の途中です。